Naturescape® の由来と意味

“Naturescape®”−この言葉は“Nature(自然)”と“Landscape(景観)”からの造語です。日本ではまだまだ馴染みのない言葉ですが、欧米ではそろそろ市民権を得つつある言葉です。

直訳すると「自然の景観」という意味になり、欧米で使われる場合も一般的にはこの意味ですが、もう少し深い意味合いをこめて創った言葉です。

それは、「自然とは、実にさまざまな要素が非常に壮大なスケールで複雑な過程を経て循環する循環系のこと」「人も自然も、この循環系に於いては互いに対等な存在であり、また、互いに深く依存し合う関係性を持った存在である」「循環するのは姿のあるモノだけではなく、行為やこころもその対象である」(講演録より)という本質です。「無常」と表現されたりもします。「環境倫理」や「Eco-Ethica」とも関わります。これら自然から教えられること全てを総称してNaturescape®と呼んでいます。

私たちの事業は、一言で云うならば、この「循環系」や「関係性」をあるべき姿に回復したり、時には創り出したりする仕事、そのためのシナリオやしかけを創る仕事と云えます。

例えば、自然環境の分野を考える際には、「自然」のことだけでなく「人のくらし」も常に一緒に考えます。同様に、人に関することを考える際には、「人と人」の疎通や「人と自然」の関わりも含めて考えます。ですから、Naturescape®という理念が捉える範囲は、環境保全や教育や福祉、地域政策、まちづくり、コミュニティなど多岐の分野に派生していきます。なおかつ、ここからここまでといったような狭義の範囲の限定というものにもとらわれません。アウトプットとしてできあがるのは、総合的なVisionであったり、それを推進していく母体としてのネットワーク組織・円卓会議・Umbrella Societyであったり、生活者基点のコミュニティやくらしやコミュニティ・ビジネスであったりします。これらを構築して行くプロセスや実践それ自体がある意味「社会的な動き(Social Movement)」を伴うものとなります。そしてこの動きが「循環系」や「関係性」といったNaturescape®の理念をベースとすること(環境基軸)から、この動きをEcology Social Movementと呼んでいます。Green ConsultingはこのEcology Social Movementの立ち上げフェースから実践フェーズに至るまで、生態系・生物多様性をモデルとした地域ビジョン・地域政策の立案、コミュニティビジネス・社会的企業の創出、さらには、自然環境の保全・再生戦略の立案といったことをサポートする中間的支援・直接的支援を行っています。気が付けば時としてこの中間的支援が直接的支援になっているケースも多いのですが・・・

Naturescape®という理念は経済やビジネスの分野にも適用しています。社会・経済の根源的原動力をなす物質循環・価値循環─これら循環系をいかに創出するか・いかに持続可能とするか、その有意義なヒントが生態系の循環系の中に見出せます。私たちが考えるビジネスモデルではクライアントをクライアント単独では捉えません。クライアントの抱える仕入先や発注先をビジネスパートナーと定義しビジネスパートナーも経営資源の一部と捉えます。さらに最終エンドユーザであるカスタマまでも経営資源と捉えようと試みます。私たちはBPR、ERP、CRMといった手法を駆使しながら、クライアント、ビジネスパートナー、カスタマこの3者の間の循環フローをビジネスモデルとして構築しています。構築されるビジネスモデルはコラボレイティブビジネスと呼ばれる形態のものです。また、ERPを通じて再構築される社内組織は従来のヒエラルキー型(ピラミッド型)組織ではなく、各経営資源の持ち味を活かしたネットワーク型組織と呼ばれる形態のものです。ビジネスモデルにおいても組織形成においても「循環系」が持続的・自発的な発展の鍵を握っています。マネージメント(経営)は、これまでの指揮・命令という内向きのスタイルから、この「循環系」の創造・展開という外向きのスタイルへとシフトします。経営視点をどちらに向けるか? その答えは私たちのBiz Consultingにあります。

しかし私たちはこうした「循環系」や「関係性」を無理やり創るようなことはしません。何故なら「無理」は「循環系」や「関係性」を損なう対極的な要素に位置付けられるものだからです。自然体であることこそ最も低負荷・低労力・ローコストで、かつ、持続性を有する手段であると云えます。「自然」・・・私たちがこれを「じねん」と読むことがあるのも自然体・あるがままにを尊重する現われです。

ある哲学家(大学教授であり国際的学者であり実践家)は私たちのことを社会的企業家(social entrepreneur)と称して下さいました。私たちは社会的企業家を実践していきたと考えています。□

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社会起業研究会(小磯修二氏+(公財)秋山記念生命科学振興財団 ネットワーク形成事業)での基調講演(保存版)

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